「良い人」でいることに疲れた。「窮屈」な環境で生きることに疲れた。いっそのこと、今の居場所から離れて、大自然の中で学んで生きたい。そう思い、私は学園に来ました。

まだ入学して1ヶ月ですが、私の中ではもう学園での生活がしみついていて、「当たり前の日常」に変わりつつあります。毎朝早く起きて、食堂でご飯を食べたり、授業の後は作業をしたり…今までの私からしたら、ここでの生活は忙しくて不安になっていたかもしれません。

ですが、今はこの忙しさがすごく豊かなことだと感じています。前までの忙しさとは違い、学園の忙しさは心が窮屈になりません。むしろそれをやり遂げることで少しずつ、自分の心に縛りついた縄がほどけてきているように思います。 学園に来てから私は、人生で初めて雪解け水を見て春を感じました。道端で咲いている花に自分から目を向けることも、苦手なはずの虫の名前が少し気になることも、ここに来ないとできなかった体験かもしれません。

最近は、学園で過ごす中で、自分は恵まれているなと感じることが多いです。ですが、反対に、この恵まれた生活を「当たり前のこと」として、完全に自分の中に落とし込んでしまわないか、少し不安です。毎日学校に通って作業をして、仲間と笑い合う。「当たり前のことを当たり前だと思える」これはすごく幸せなことだと思います。

だからこそ、ふとした時に立ち止まり、日々見逃してしまう小さな「当たり前」に目を向けてみることが大事だと、最近考えています。

 1年前までは全く知らなかった この独立学園に、私は78期生として今ここに立てていることが嬉しいです。

この大自然や、学園に関わるすべての人やものに感謝の想いを持ち、これからの学園生活を送っていこうと思います。

※創立記念式 生徒所感より