独立学園の一日
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6:00●起床・朝作業
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7:05●朝食
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8:35●朝拝
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9:20~12:40●午前の授業
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12:40~13:45●昼休み
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13:45~15:20●午後の授業
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15:30~17:00●夕作業(週3回)
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17:00~18:00●自由時間
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18:05~19:00●夕食・夕拝
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19:00~19:30●自由時間
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19:30~21:30●沈黙の時間
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21:30~22:00●自由時間
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22:00●消灯
生活の基本
体調管理は独立学園での学び、生活を支える基本です。しっかり寝ること、自分で起きること、きちんと食べることで独立学園での学びの可能性が広がります。
24時間、人と共に生活をすることは知らず知らずのうちに疲れが溜まるものです。しっかり休むこと、リラックスできる時間や場所を見つけること、時には人を頼ることも大事です。
食事は3食、食堂で会話を楽しみながら食べます。みんなでお祈りをして感謝していただきます。朝食と夕食は生徒と職員で調理します。配膳や食後の食器洗いも生徒が当番制で行います。
礼拝
独立学園がみんなで大事に守り続けているものが礼拝です。礼拝前の静寂、パイプオルガンによる前奏で心を静めます。毎朝夕の礼拝では生徒と教職員が輪番制で司会を担当します。司会者は讃美歌と聖書箇所を選び、感話を述べます。
日曜礼拝(9:00~10:00)では教員が聖書講話を担当します。ここで生活を共にする教員が聖書から受け取った神様のメッセージを語ることに大きな意味を感じています。
毎日耳に入ってくる聖書の言葉は、思いもよらないタイミングで“私”に語り掛けられているような言葉として思い出されます。また“感話”では、飾らない正直な言葉、自分自身の中から湧き上がってくる言葉が語られます。ありのままの自分で良いのだという雰囲気が“本当”と呼べる言葉を生み出すのだと思います。
授業
授業は45分で行われます。
自由時間
作業日ではない日の放課後や空き時間は、それぞれが自由に過ごしています。散歩をする人、部屋でゆっくり過ごす人、お菓子をつくる人、友達とお茶をしながら会話や楽器を楽しむ人、近くの山へ登る人、過ごし方は様々です。冬にはスキーやスノーボードを楽しむ人もいます。
また、土曜・日曜の午後はクラブ活動の時間に当てられることが多いです。
沈黙の時間
「沈黙の時間」は自室または決められた学校内の教室で、一時間です。勉強や読書をする人、自分自身の課題や内面に向き合う人、家族や友人に手紙を書く人、過ごし方は人様々です。常に人がいる環境の中で大事な時間として互いに守り合っています。ある生徒が語った「沈黙は一人ではつくれない」という言葉が印象的です。
年間行事
1.過程を大事にする
生徒の中から選出された計画委員と担当教員を中心に話し合いを重ね、皆がより主体的に行事に参加できるように計画を練ります。その過程で意見が合わなかったり、うまく事が進まないこともありますが、それもまた大切な学びです。
2.「読むべきものは聖書である 学ぶべきものは天然である 為すべきことは労働である」
礼拝で始まる1日。飯豊連峰、朝日連峰に囲まれた雄大な自然の中で営まれる日々の学び。毎朝夕の行われる作業。これらは切り離せるものではなく、ふとした瞬間に全てが繋がります。日常生活の延長線上に行事が位置づいています。
3.あえて危険の隣に立たせる
独立学園では危険を遠ざけるのではなくしっかりと準備をして自然の中に出掛け、危険が伴う作業も一緒に行います。そうすることが本当の意味で生きる力を育むと信じているからです。
4.「自ら学ぶ人間」、「平和を創り出す人間」を育てる
行事を通して学んだ具体的な社会問題を机上の学びで終わらせることなく、生涯を通した生き方の土台となるような学びになることを願っています。これもまた目の前にいる他者との関係と切り離して考えることはできず、日常を生きる“私”の延長に世界の平和があるのです。
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4月●
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・入学式
山にはまだ沢山の雪が残る中、カタクリやフクジュソウといった春の花に囲まれて入学を迎えます。
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・植物観察
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5月●
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・連休キャンプ
残雪期の山を2泊3日~3泊4日で楽しみます。
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・創立記念式
5月26日の創立記念日には創立者の思いに触れつつ、過去を振り返るだけではなく、現在と未来について語り合います。また自分自身の学園生活を問い直す機会にもなります。
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・農繁作業
5月の田植え、9月の稲刈りに合わせて近隣の農家へ働きに出かけます。
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6月●
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・合同保護者会
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・修養会
1泊2日の行事です。学園の日常から離れクラスだけで過ごす時間です。テーマを決め、ディスカッションや一人黙する時間を通して自分自身やクラスと向き合います。ぶつかり合うこともありますが、その分自分自身のこともまた他者のこともより深く知ることができます。
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・人権週間
在日韓国・朝鮮人の人権、障がい者の人権、沖縄の人権、セクシャルマイノリティーの人権などを講演会や教職員研修会を通して学びます。
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・全校草刈り
牧草地へ出かけ、朝5時からお昼まで生徒・教職員が大鎌をもって汗を流します。刈った草はサイロに詰められ牛の越冬用飼料となります。
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7月●
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・クラスキャンプ(~10月)
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・修学旅行
3年生の6~7月にかけて東北・北海道へ18泊19日の修学旅行へ出かけます。2年生の後半から計画をはじめ、目的や行き先を決めるところから話し合います。東日本大震災の被災地訪問や北海道せたな町で1週間の酪農実習、アイヌについての学び、知床での自然体験など行き先や内容は毎年違います。
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夏休み●
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・夏山登山(希望者)
飯豊連峰や朝日連峰を縦走します。
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・沖縄平和の旅・韓国平和の旅(希望者)隔年で交互に行っています。
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・叶水夏の学校
外部から多くの参加者を迎えて2泊3日で開催します。日常から離れ、語り、学び、遊ぶ。そしてまた希望をもって、それぞれの生きる場所へと帰っていきます。
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9月●
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・叶水小中学校・叶水地区合同運動会
9月上旬には地元叶水小中学校と叶水地区との合同運動会に参加します。
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・学園祭
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・農繁作業
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10月●
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・各学年保護者会
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・茸狩り
近隣の山でキノコを採取します。講師をお招きして学ぶキノコの世界、森の世界は神様の業を一つ一つ紹介してもらっているようです。
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・叶水小中学校文化祭
コーラスを披露し、パンやコーヒーをふるまいます。地域の方からは山形名物の“芋煮”をごちそうになります
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11月●
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・クラブ発表会・収穫祭
各クラブの学びや発表を分かち合い、お昼には学園の畑や田んぼの収穫物や畜産加工品を感謝していただきます。
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12月●
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・入学試験
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・クリスマス
クリスマス行事は礼拝や記念講演、学年ごとにコーラスや劇を行います。劇を創り上げるまでの過程で色々な失敗や意見の食い違いなどを経験する中で、自然と自分自身に向き合わされます。イエス様の誕生の意味を考える時となります。
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1月●
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・憲法勉強会
具体的な政治問題、社会問題を取り上げながら日本国憲法を読み、「本当の事は何か」「自分はどこに立ち何を選択するのか」を考えます。
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2月●
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・「思想・良心・信教の自由」を守る日
2月11日は休まず「思想・良心・信教の自由」を守る日として特別授業を行います。
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・スキー遠足
全校で近隣の雪山に出掛けます。班ごとに雪洞を掘り、その中で食べる暖かいうどんは格別です。
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・雪上運動会
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3月●
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・卒業記念講演
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・さよなら音楽会
卒業式前日のさよなら音楽会ではクラスコーラスを中心に音楽を通して、お互いに対する感謝の気持ちを伝え合います。独立学園のコーラスは一人ひとりが学園生活で経験してきた楽しかったことや辛かったこと、苦しかったことと詩が重なり、“祈り”としか表現できない深さがあります。
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・卒業式
独立学園の卒業式は礼拝であり、卒業証書授与式ではありません。卒業生一人ひとりが卒業所感を述べます。“この私”として隣にいる自分とは違う他者とどうやって共に生きていけるか。そんな問いをもって卒業していきます。式の最後には会場全体でハレルヤコーラスを合唱します。
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学校生活
高等学校普通科の教育課程が用意されており、本校独自の科目や科目選択の自由が多いことが特徴です。とりわけ次の3つの点に、本校の教科教育のユニークさがあります。
1.真理を探究する授業
わたしたちは学習の目的は真理探究にあると考えます。そのため、大学受験合格を一番の目的にした授業は行なっていません。日々の学びを通じて、「本物とは何か」を探し、学び続ける姿勢を身につけて欲しいと願っています。謙虚に真理を求める人格へと成熟することが、個々の知識や技能を身につけること以上に大切なことだと考えます。
なお、真理探究のため学校独自に開講している科目としては、「聖書」や古典的名著を少人数で読む「読書」などが挙げられます。
2.個人の尊重を目指す教育
個性を持った教員とキャラクターの異なる一人ひとりの生徒が教室にいることで、授業はダイナミックでわくわくするものとなります。私たち人間は、ロボットがソフトをインストールするように学習をするわけではありません。決められた「学ぶべきこと」を機械的にインプットするだけであれば、学校の存在意義はないでしょう。
本校では、学習とは個人的・対話的そして創造的な営みだと考えます。教員の独自性、生徒の関心や習熟度に応じるかたちで授業をかたち作ることを大切にしています。また学級自体が少人数(25名定員)ですから、個々の生徒の声を拾いやすい環境です。科目によってはいくつかの選択肢から選べるようにし、授業人数をさらに絞っています。生徒が関心を深め自ら進んで学習できるような授業を模索しています。
3.生活を土台とした学び
本校では、授業での学習の土台に共同生活を据えています。寝食を共にし、互いに信頼関係を築きつつあるクラスメイトや教員と共に、日々の学習が行われます。人格的なつながりが学習環境の土台にあります。
また、生活と関連づいた独自の特色ある授業がいくつもあります。豊かな森林に囲まれた環境の中でフィールドワークをしつつ学ぶ森林学、 冬のスキー授業(体育)、3年間通してクラスコーラスをつくり上げていく音楽、ネイティブスピーカーの教員と生活を共にするなかで学ぶ英会話などが挙げられます。
生徒の声
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寮生活
寮生活とは
基督教独立学園は全寮制の学校です。寮は、他者と時間や空間、そして願いや葛藤を共有し、共に生きる場所です。自分の思いを伝えたり、他者の言葉に心を傾けたりする中で、相互の理解を深めていきます。「自律」を丁寧に学びながら、人格的な交わりを通して、「このわたしを生きる」という本当の意味での「独立」をつかみ取っていきます。
寮生活で大切にしていること
①他者との出会い
居室は、他学年の生徒と相部屋になります。
2人部屋か3人部屋で、年に3回の部屋替えがあります。
お茶を飲みながら、語り合ったり、笑いあったりする時間を大切にしています。時に、ぶつかり合うこともありますが、互いを深く理解する経験へとつながっていきます。こういった出会いを通して、一生の友となるような関係性を築いていきます。
②ノーブル(高尚)で簡素な生活
寮は、テレビや漫画、携帯電話(スマートフォン)、パソコンやネット環境のない生活です。それは、人と人との直接的な関わりを何より大切に考えているからです。また、最低限のものの中でも生活できるという自信を得ていきます。
お風呂は1日おき、洗濯は手洗いです。不便で簡素な生活だからこそ、創造性豊かな人間味あふれる寮となります。
③自治寮
各寮2人のリーダー(生徒)を中心に寮の運営が行われます。職員は寮生主体の寮となるようサポートをしています。月1回ある舎生会では、寮にある課題や互いの思いを共有し、より住みやすい寮となるように話し合いが行われます。
また寮では、仕事や係を分担し、助け合いながら生活を作り上げています。楽しい企画を考えたり、真剣に話し合ったりと、寮生活に一人ひとりが真摯に向き合っています。
労働・作業
働くということは、人を育てる大切な土台
労働作業は互いに協力することや創意工夫をすること、自分の責任を果たすこと、困難に耐えること、感謝することなど、人生の基本となる大切な学びとなります。仲間と働く喜びを分かち合いながら、独立学園での共同生活を送っています。
日常での作業
朝作業
夕作業
除雪
生産系部活
畜産部
園芸部
米部
製パン部
クラブ活動
声を形にできるクラブ活動
生徒の多くは2~6ほどのクラブに所属し、生き生きと活動しています。自分自身の学びや関心を広げるだけでなく、共同生活を支えるクラブもあります。「こんなことをやりたい」という声を形にできるクラブ活動は、日常生活を楽しく豊かなものにしています。
また、独立学園は学校であるとともに、生活を共にする場です。そのため、生徒と教職員全員でそれぞれの役割を担い生活を支えています。
活動の種類
・男声・女声コーラス
・歌唄(ワーシップソングを歌う)
・ハンドベル
・演劇
・人形劇
・たんぽぽ会(地域の小学生と交流)
・生物部 など
・園芸部(野菜作り)
・畜産部(家畜の世話)
・米部(米作り)
・製パン部(週に2回食事用の食パン作り)
・趣味パン部(週に1回食事用の好きなパン作り)
・食品加工部(燻製やジャム作り) など
これまで開催されたもの
聖書、韓国語・中国語、フランス語、ギリシャ語、ドイツ語、ロシア語、英語、英語讃美歌翻訳、数学、音楽、シェイクスピア読書会、骨格標本づくり など
※生徒の求め、教職員の想いに応じて開催
C.O.S.T
C.O.S.T(Council of Students and Teachers「生徒と先生の協議会」)を組織し、生徒と教職員が一緒になって学校の運営に参加し、様々な仕事を分担・協力し進めています。
営繕部、渉外部、医療部、図書部、厚生部、防災部、水道部、文通部、テープ管理部、調理室管理部
自治会
生徒による生徒のための組織。生徒が主体的に、全生徒の生活の向上と親睦を計るため企画・運営を行っています。
文化部、写真部、テント管理部、自転車管理部、炊事場販売部、販売部、衣装・環境美化部、会計部、スキー部