沿革
創立者鈴木弼美(すけよし)(1899-1990)は山梨県に生まれ、 東京帝国大学物理学科を1926年に卒業しました。大学在学中の1924年に内村鑑三の門下に入り、 キリスト教を学び、物理学の真理よりも信仰の真理の方がすぐれているとの確信を得て、 聖書の研究を一生の仕事と考えるようになりました。
1924年、内村鑑三は集会の青年に、「ぼくは以前(アメリカにいた頃)から 行きたいと思っていたところがある。それは山形県の山奥の小国村というところで、 ここならアメリカの宣教師も入った事はないだろうからここにしようと思ったが、 とうとう今日まで行けなかった。もう一つ、それは岩手県の山地である。 この夏休みに諸君のうちこれらの地方に行って伝道してくれる人はいないか」と呼びかけました。 内村鑑三は、山形県小国地方は山に囲まれた別天地であり、上杉鷹山の領地でもあったので、 ここに純粋のキリスト教を伝えたいと考えていました。 この呼びかけにこたえ、鈴木、政池仁、横山善之らが毎年のように小国に夏の訪問伝道に 出かけるようになりました。
鈴木は1933年12月に小国に居を移し、翌年9月1日に基督教独立学校を創設しました。 午前は塾生と木工などの仕事をし、午後は勉強を教えました。 鈴木は1937年より日中戦争などのため6年間応召しましたが、1944年、 平和主義のため治安維持法違反被疑で山形警察署監房に8ヶ月間拘置されました。 この間、基督教独立学校は休校状態となりました。
1948年、学校制度が改編された際、新制の基督教独立学園高等学校として再発足しました。 あまりにも小規模という理由で当初文部省は認可をしませんでしたが、 当時の山形県知事・村山道雄氏の尽力で翌年に認可されました。 文部省(当時)の危惧にもかかわらず、小規模であることを堅持し、 受験準備へと流れがちな時代の趨勢(すうせい)に抗して、 聖書を土台とした全人的な人間教育を追求しつづけて現在に至っています。
2021年3月に71期生を送り出し、卒業生は1,608名となりました。
1924年7月 | 内村鑑三の呼びかけによる小国伝道はじまる |
---|---|
1934年9月1日 | 鈴木弼美 基督教独立学校設立 |
1944年6月12日 | 鈴木弼美 渡部弥一郎と共に戦争を拒否し、天皇を神としないため、 治安維持法に違反するとして逮捕される(翌年2月まで拘置) |
1948年4月26日 | 基督教独立学園高等学校設立(校長・鈴木弼美、理事長・政池仁) |
1957年3月31日 | 鈴木弼美理事長兼任 |
1982年11月9日 | 白崎吉郎理事長就任 |
1988年4月9日 | 武祐一郎校長就任 |
1995年4月9日 | 助川暢校長就任 |
2000年7月27日 | 小関充理事長就任 |
2005年4月9日 | 鈴木孝二校長就任 |
2006年10月1日 | 武祐一郎理事長就任 |
2008年4月1日 | 安積力也校長就任 |
2011年11月19日 | 大高全洋理事長就任 |
2015年4月1日 | 山本精一校長就任 |
2017年7月11日 | 大西洋司理事長就任 |
2019年4月1日 | 後藤正寛校長就任 |